2019年6月に実施されたコアアルゴリズムアップデート。YMYL系サイトを中心に多数のサイトが圏外落ちや順位上昇を見せており、イークスのスタッフもエントリ修正に追われる毎日。まじでいそがしいです。
GoogleSearchLiaison(Googleの公式twitter)では実用的なアドバイスとして「何も修正しない」ことをアピールしていましたが、順位が下がったメディアにとっては死活問題。なんとか現状を打破するためにも改善の糸口が欲しいですよね。
Sometimes, we make broad changes to our core algorithm. We inform about those because the actionable advice is that there is nothing in particular to “fix,” and we don’t want content owners to mistakenly try to change things that aren’t issues…. https://t.co/ohdP8vDatr
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年10月11日
Sometimes, we make broad changes to our core algorithm. We inform about those because the actionable advice is that there is nothing in particular to “fix,” and we don’t want content owners to mistakenly try to change things that aren’t issues….
──私達はコアアルゴリズムアップデートを実施します。実用的なアドバイスとしては、修正を加えないこと。サイトオーナーが間違った修正を加えないために。
そんな中、サーチエンジンジャーナルに、ジョンミューラーが行った6月のアップデートについての言及が掲載されていました。
Google’s John Mueller Discusses June 2019 Update Recovery – Search Engine Journal
新しいアルゴリズムの内面を想像させるようなとても興味深い内容で、今回の順位低下を解決する糸口となる情報だと思いましたので、ご紹介させていただきます。
※和訳がおかしい部分があればコメントで教えてください(汗
2019年6月のアップデート内容と、その対策とは?
With a lot of the relevance updates, a lot of the kind of quality updates, the core updates that we make, there is no specific thing where we’d be able to say you did this and you should have done that and therefore we’re showing things differently.
──コアアップデートには、めちゃくちゃいっぱいの関連性やら品質に関するアップデートが含まれてて、具体的に「こうすればいいよ」って言えることがない。何か特別にすべきことはないし、あなたはそれをもうやってるでしょ。違う視点で物事を見なきゃね。
今回のハングアウトでジョンミューラーもまた、コアアップデートに対して特別に何かを行う必要はないということを強調しました。
しかし、その発言の内容から、6月に実施されたコアアルゴリズムアップデートの内容はキーワードの関連性や品質を高める目的で実施されていることが分かり、そのアルゴリズムが進化したことがわかります。
Sometimes the web just evolved. Sometimes what users expect evolves and similarly, sometimes our algorithms are, the way that we try to determine relevance, they evolve as well.
──ウェブは常に進化してる。僕らが持ってる「関連性を適切に推測し判断するアルゴリズム」もまた、ユーザーの期待に応じて進化してる。
Googleは、ユーザーが求める『検索意図に沿った、検索ユーザーに満足を与えるコンテンツ』を提供するために、より高い精度でキーワードごとの検索意図とそれにマッチした(ユーザーが求める情報が含まれた)エントリのつながりをランク付けするアルゴリズムを導入したのではないでしょうか。
「何も特別なことをするな」という言葉の意図は『高品質なエントリを作っていれば』という条件付きで『一旦落ちても順位は回復するから気にするな』と伝えているようにも見えます。
別の視点で考えると、新しいアルゴリズムによって関連性や品質に問題があると判断されたエントリは、そのまま放置しても順位が回復することはなく、順位が低下したエントリと同じような基準で新しいエントリを作ったとしても、上位をキープすることが難しいとも受け取れます。
対策のためには、基本に立ち返る必要がある
特別な対策が必要ないと伝える一方で、どのような対策をする必要があるかについても言及しています。
And with that, like you mentioned, you’ve probably seen the tweets from Search Liaison, there’s often nothing explicit that you can do to kind of change that.
What we do have is an older blog post from Amit Singhal which covers a lot of questions that you can ask yourself, about the quality of your website. That’s something I always recommend going through. , That’s something that I would also go through with people who are not associated with your website.”
──あなたがGoogle Search Liaisonのつぶやきで見たとおり、今回の変化に対して特別に何かしなきゃいけないことはありません。
明示的なものがなにもない、そんな変化の中であなたがしなきゃいけないことは、アミット・シングハル(元Googleのエンジニア)が昔ブログに投稿した、ウェブサイトのクオリティに対する多くの質問に対して答えること。あなたのウェブサイトとユーザーを結びつけるためにはそれが必要だと思うよ。
この発言の中にある、過去のブログ投稿とはOfficial Google Webmaster Central Blog: More guidance on building high-quality sites(日本語版:良質なサイトを作るためのアドバイス)のこと。
日本語版を参考に見てみると、中には25項目に渡る質問が。信頼性や独自見解、外注による量産や文法ミスなど、コンテンツに関わる重要なポイントが列挙されています。
この中で特に気になった項目を4つピックアップ。
この記事は専門家またはトピックについて熟知している人物が書いたものか? それとも素人によるものか?
この記事にスペルミス、文法ミス、事実に関する誤りはないか?
このサイトで取り扱われているトピックは、ユーザーの興味に基いて選択されたものか?それとも検索エンジンのランキング上位表示を目的として選択されたものか?
記事が、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
2019年3月〜4月に実施されたSEO大変動への対策についての中で紹介したとおり、上位にあるエントリと同じ内容が載っているだけの寄せ集め記事は上位表示しづらく、より専門性やオリジナリティの高い情報が求められています。
また、正しい文法で記述することはもちろん、より具体的にユーザーの検索意図を満足させる文脈にする必要があるとも感じています。そして、どこにでもあるような浅い情報ではなく、そのトピックに激ハマりしているようなユーザーでも納得させられるような、深みのある情報を提供し続けることが上位表示の近道なのかもしれません。
自分にとって、せっかくの良い機会なので、25項目の質問から行動項目を10個考えてみました。
- ライターのプロフィールを充実させる。
- 運営者の住所や電話番号などの情報を、個別ページではなく表に出す。
- ユーザーの興味を知るため、twitterや知恵袋から情報を収集する。
- トピックへの熟知度を高めるために、専門書などで知識量を増やす。
- エントリには必ず専門家としての独自見解を含め、他社情報の寄せ集めエントリで終わらせない。
- 読み応えのない「当たり前」な内容しか記載されていないエントリを作らない
- サイト内に類似したトピックをもつエントリがあれば集約する。
- 過去エントリを検索順位が低下した順にチェックし、検索意図に沿った内容に修正する。
- 作成したエントリを二重チェックし、文法や可読性に問題があれば修正する
- サービスの知名度を高めるために、twitterでの活動を始める。
さらに上記のリストをまとめて、下記3点を意識して行動していきます。
- 独自見解を語れるような専門家になるために、知識を高めつつ実績を積んでいく。
- 読者に対して自分が誰かを伝え、認められるような肩書を持つ。
- 無駄な記事を作らない。過去エントリは修正する。
第三者に対してフィードバックを受けよう
ジョン・ミューラーは、ユーザーがサイトに対して信頼感を持っているかを知るために、第三者からのフィードバックを受けることを薦めています。
So, often you as a site owner you have an intimate relationship with your website you know exactly that it’s perfect. But someone who is not associated with your website might look at your website and compare it to other websites and say, well, I don’t know if I could really trust your website because it looks outdated or because I don’t know who these people are who are writing about things.
──あなたはサイトオーナーだから、サイトのことは熟知してる。けど、サイトのことをよく知らないやつがあなたのサイトを見て、他のサイトと比較したときに情報が時代遅れに見えたり、誰がかいている記事かわからなければ「ウェブサイトを信用できるかわからない」って言うでしょう。
All of these things play a small role and it’s not so much that there’s any technical thing that you can change in your line of HTML or server setting.
──これらはすべてちっちゃな役割を果たしてて、HTMLやサーバーのセッティングみたいに技術的なことは多くない。
It’s more about the overall picture where users nowadays would look at it and say, well I don’t know if this is as relevant as it used to be because these vague things that I might be thinking about.
──以前と同じぐらい関連性があるかはわからないけど、僕が何となく漠然と考えている「これだろう」っていう結論は、もっと大きな全体像として、ユーザーがそのサイトを見て何というか。
So that’s where I’d really try to get people who are un-associated with your website to give you feedback on that.
──あなたと関係のない人達に、サイトに対してのフィードバックをもらうことをおすすめします。
これらの発言から、サイトにはこれまで以上の信頼性が求められていくように思えます。
良質なサイトを作るためのアドバイスの中にある『あなたはこのサイトにクレジットカード情報を安心して提供できるか?』という質問に対しての答えを第三者に対して求めることは、ユーザーの信頼性を図るひとつの指標として活用できるのではないでしょうか。
…you can talk with other people who’ve seen a lot of websites and who can look at your websites and say well, I don’t know the layout looks outdated or the authors are people that nobody knows or you have stock photos images of instead of author photos. It’s like, why do you have that?
──あなたはとても多くのウェブサイトを見てきた人に、自分のウェブサイトを見られてこう言われるでしょう。レイアウトが古臭いし、著者が誰かわからないし、作者の画像の代わりにストックフォトを使われてる。なんでそんなことしてるの?
All of these things are not explicit elements that our algorithms would be trying to pinpoint but rather things that kind of combine to create a bigger picture.
──これらのことは、アルゴリズムが明示したことではないが、よりピンポイントな指摘で、大きく物事を捉えるのに役立ちます。
信頼性を高めることは、SEOの上位表示だけでなく購入率の向上やリピーターの増加にも繋がります。ソーシャルメディアでのエンゲージメントを高めることにもつながり、ゆくゆくは自然リンクを獲得することにもつながるはずです。
弊社メディアでも、どうしてもターゲットキーワードの上位表示を狙うためのエントリ構築ばかりに目を向けがちです。
ユーザーからの信頼を勝ち取るために必要なことを考えて、サービスに適用していくことで上位表示につながるかを検証していきます。