会議データの自動集計をAPIとスクレイピング技術で実現。資料作りの時間を「アイデアづくりの時間」に。

アクセスデータと売上データを元に、月初・中間のタイミングで会議資料を作成しているが、データ出しだけで月間12時間/人 以上のコストが掛かっていることにお悩みの企業様からご相談をいただきました。

施策の概要

課題

  • 管理している10サイトのデータをGA4やサーチコンソール、自社開発のDSPなど複数の管理画面で個別に集計し、集計結果を手動で記入するため、資料の作成に大きな時間が掛かってしまう。
  • 入力ミスや「前月のデータがそのまま入っている」などの理由で会議がやり直しになるケースもあり、余計に時間のムダが発生。
  • 管理画面の中にはエクスポート機能が付いていないものもあり、自動集計が困難な状態にあった。

イークスの提供サービス

  • スプレッドシートとGASを用いたデータ管理手法についての知見を提供
  • リモート環境下でも即時にデータ集計ができる仕組みの構築
  • API利用可能なサービス(GA4、サーチコンソール)についてはGASを用いて自動集計を実装
  • エクスポートができない管理画面はスクレイピングを行い自動でデータ取得

手入力の作業をすべて自動化。会議資料づくりだけでなく日報データの入力も効率化

複数のメディアを運営している企業からの依頼を受け、資料づくりの自動化を実施。要件定義からデータ取得の自動化、取得したデータを用いた分析テンプレートの提供までをサポートしました。

業務にまつわるすべてのデータを日々自動でデータを集計する仕組みを構築。必要な全データがスプレッドシート上にデータベース化されたことで、日報データの入力も不要となり、常に最新のデータが即時に確認できるようになりました。

会議データの作成に4時間。日々の日報データ作成に1時間

これまでは、月初と中間のタイミングで各管理画面からデータを集計し、集計したデータを元にPDCAループを実施。週1回のミーティングのために簡易的な考察資料を毎回作成していましたが、他の業務と並行しながら作成するためミスも多く、データ集計に時間がかかるため日々の考察には集計データを使用することができない状態でした。

メディア個別の詳細データと、メディア合計のデータ集計をすべて自動化するだけでなく、そのデータをいつでも見れる状態とし、そのデータを担当者が自由に編集して分析できるようにサポートする伴走型のパートナーが求められていました。

必要なデータと関連性を理解し、データ取得の自動化。資料のテンプレート見直しを提案

イークスは資料に含まれるデータの理解を深めるために会議に訪問し、現場担当者とステークホルダーの重視しているデータの理解と、手入力になっているデータの分析から着手しました。

調査により、会議資料と日報では同じデータを使用されているものの各資料でデータが共有されておらず、何度も手入力していることが判明。必要なデータの多くはAPIで取得できることや、自社開発の管理画面に外部からのデータ取得機能を追加できることがわかりました。

実施されたソリューション

自動データ集計の実装

Google Apps Script (GAS)を活用して、Google Analytics 4 (GA4)、Google Search Consoleからのデータを自動で集計し、Google スプレッドシートに統合。複数のコンフィグファイルを用いた集計機能を実装することで、データ集計の手間を大幅に削減しました。

スクレイピングによるデータ取得

クスポート機能がない管理画面については、スクレイピング技術を用いてデータを自動取得し、集計プロセスに統合。これにより、これまで手作業で行っていたデータの収集を自動化しました。

資料作成の自動化

集計したデータを用いて、会議資料や日報を自動生成し、常に最新の情報が更新されるだけでなく、月ごとの履歴が残る仕組みを構築しました。スプレッドシート上でデータベース化された情報を基に、資料内で必要とされる分析データやグラフを即座に作成できるようになり、準備時間を大幅に短縮しました。

分析テンプレートの提供

データの取得だけでなく、分析を行うためのテンプレートを追加で提供。これにより、担当者はデータの解釈と活用により多くの時間を割くことができ、より深い洞察や戦略的な意思決定が可能となりました。

データ集計が完全自動化。資料作成に掛かる時間のすべては分析の時間に。

効率化の実現

月ごと、担当者ごとに12時間かかっていたデータ集計の作業時間がゼロになり、無駄な時間が大幅に削減されました。

精度の向上

自動化により、入力ミスや前月データの誤使用などのヒューマンエラーを削減。常に正確なデータに基づいた資料が作成されるようになりました。

リアルタイムデータの活用

スプレッドシート上でデータベース化することで、常に最新のデータを即座に確認できるようになり、日々の業務や意思決定にリアルタイムデータを活用できるようになりました。

分析能力の向上

分析テンプレートの提供により、担当者が新たな指標やディメンションを活用し、組み合わせた分析を行えるようになりました。これまで既存テンプレートだけを使用して分析していた担当者が新たな軸を元に分析するように変化し、より戦略的なアイデアや改善策の提案が可能となりました。

イークス担当者の感想

これまでデータ集計に掛かっていた時間を分析やアイデア出しの時間に使えるようになったことで、事前に準備したテンプレートだけでなく追加でデータを収集して分析できるようになったと喜びの声をいただきました。

当初はPythonやPHPを用いて分析専用の管理画面(WebUI)を作成することも選択肢に上がりましたが、初期投資と継続的なメンテナンスの両面で高コストになり得ます。これに対し、GoogleスプレッドシートとGoogle Apps Scriptを活用することで、開発と保守のコストを大幅に削減しました。

スプレッドシートは、非技術者でも直感的に使用できるツールです。これにより、担当者自身がデータを追加、編集し、カスタマイズした分析を行うことが可能となり、ビジネスニーズに応じた迅速な対応が実現しました。

ビジネス環境やデータの性質は常に変化します。スプレッドシートを使用することで、担当者は分析資料を「生きたドキュメント」として扱い、継続的に更新し続けることができます。このアプローチは、分析資料が常に最新の情報を反映し、ビジネスの動向に合わせて進化し続けることを保証します。

クライアントからの喜びの声は、データ集計作業から解放され、より価値ある分析やアイデア出しに時間を割くことができるようになったことの証です。今回の施策は、データ駆動型の意思決定プロセスを支援し、ビジネスの成長とイノベーションを促進する重要なステップになったと感じました。

同様のシステムはEXCELでも構築可能です。データ収集の自動化や業務効率化でお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。